新人コピーライター物語

新人コピーライターが徒然なるままに、コピーのことや気になったことを書き残していくブログです。

いいコピーってなんだろう その3あなたがいいと思うコピーは、なぜいいのか?

誰にも自分の好きなコピーベスト〇〇というコピーがあります。
そのコピーがなぜいいか考えてみて下さい。
 
「事実に改めて気づかせ、購入のきっかけをつくっている」
「ターゲットに自信を持たせるコピーだと思う」
「生活者目線で考えたらこういうコピーが作れるようになるのか」
「人を応援するタイプのコピーが好き。言葉のシンプルさが美しい」
 
などなど・・・すごく無意識かしれませんが、
どれもが、新しいコピーを書くときの「切り口」に満ちてます。
つまり、みなさんがいいと思ったコピーが「なぜいいのか?」
という理由は、後々のみなさんの、よきコピーディレクター
(=コピーを書くための良き指針)になりうるのだと。
たとえば、「スカルプD」のコピーを、ただ思いつくままに書くと、
必ず、限界にぶち当たります。その時、仮に4つの視点を
プラスするだけでも、続々と新たなコピーが生まれることでしょう。
以下、順になぞらえてコピーを即興で考えてみると・・・
 
「髪型は整っていても、その人の頭皮環境は乱れていました。」
「大丈夫、きちんといたわれば、あなたの頭皮はまだまだ働く」
「妻にいいシャンプーと、僕にいいシャンプーは違うんだ」
「フレ!フレ!オレ!・・・の頭皮!」
 
この4本のコピーを思いつくまでに、5分とかかかっていません。
どれも好きなコピーの「好きな理由」を参考にして瞬時に生まれました。
 
ここで言いたいことは「あ、このコピー、いいな」と思える
コピーに出会えたときには、「なぜいいと思ったのかその理由」も
コピーと共にできるだけ丁寧に書き留めておいてほしいということ。
そして、何かのコピーを考える際に、それをどんどん活用して、
たくさんの切り口のコピーを生み出してほしいということです。
 
「自分のコピーアカイブ」と僕は読んで、おすすめします。
電通の玉山さんというコピーライターはこれを実践している方で、
社内のクリエイティブ転局試験の際も、自らのアーカイブ手帳に
書き溜めた「切り口」を頼りに、その試験を突破できたといいます。
 
これは誰もが始められる「いいコピーライターへの近道」と
ぼくは思っています。めんどくさいだろうけど、コツコツ続けた人は、
続けなかった人より、発想の切り口、引き出しのすごく多い、
いいコピーライターに近づくはずだと、睨んでいます。
世の中は楽しいことにあふれているし、抱えている仕事もある。
けど、そんな毎日の中で、常に「いいコピーはないか?」を意識し、
それを見逃さず、未来の「コピーを書く自分」のために
「そのコピーが何故いいのか?」をきちんと書き溜め。
自らの財産にしてゆく。つまり頭をコピー脳にしてゆく。
コピー漬けの日々を生きてみる。
長い人生の中で、猛烈に「コピーと取っ組み合う」そういう時間を過ごすことは
いつか必ずや、みなさんを輝かせるでしょう。
 
明日から・・・いや今日この瞬間から、ぜひ。
 

いいコピーってなんだろう その2 いいコピーの良い基準は一つじゃない

 

いいコピーとは・・・

新しい「価値」を示してくれるコピー。
新しい「気づき」を与えてくれるコピー。

などと教わった経験があると思いますが。もちろん、それは正しい。

いいコピーとされるコピーの多くは、そのいずれかにあてはまっているでしょう。

岩崎俊一さんの「やがて、いのちにかわるもの」や

「英語を話せると、10億人と話せる」などが、

その代表例ですね。考えてみたら、企業の想いを込めた

大事な商品やサービスをメッセージにするコピーが、

どこかで聞いたことのあるような価値しか提示できていなかったら。

その商品をなぞるだけの説明的なことしか伝えていなかったら。

やっぱりダメです。なので、

上記2つの基準は「いいコピーのスタンダード」

として覚えておきたいところです。

けど、そこに縛られなくてもいい。

ある商品やサービスのオリエンを受け、そのコピーを担当するのは、

あなたが生み出すコピー。それが、新しい価値や新しい気付きを

示していれば、それは一つの正解。ほぼ間違いいない。

でもそうじゃなく、今回は

こうこう、こういう理由で、このコピーがいいコピー、ベストワークなんです

と言い切るロジックを自らの自信をもって打ち出せるのなら、

それも、やはり正解だと思う

 

例えばで話しますと「日清どん兵衛」はどうだろう。

「どんばれ」というコピー、いいコピーだと思いませんか?

でもこれを、上記2つの定義にあてはめてみると

新しい価値も新しい気付きももたらしているようには見えません。

このコピーが生まれた背景には、長い歴史と多くのファンをもつ

ブランドのリニューアルを機に、10〜20代の若い人たちに向けてエールを送る

という基本方針があったといいます。

このブランドに今こそ必要なのは「今を生きる、

未来のどん兵衛ファン達に送る新しい応援メッセージ」なんだ、

と、心を決めてプレゼンテーションした光景が目に浮かびます。

 

「どんばれ」=「がんばれ」よりもゆるい(=若者を意識した)、

        肩に力の入っていない「どん兵衛」流のエール。

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そこには「新しい味方」「新しい絆づくり」みたいな

大事な目的がある。そここそが、肝心

その「新しいロジック」を携えた瞬間、「どんばれ」は、単なる言葉遊びや、

なんとなく語呂のいい思いつきの域を超えて、

そのブランドにとって、今、無くてはならないコピーになる。

みなさんに勇気をもてとりくんでもらいたいことは、

まさにそこなんですね。

このコピーは「新しい〇〇」をもたらす

コピーなんです!だから、今、このブランドには、

このコピーが必要なんです。

と自らコピーを信じ、そこに込めたロジックと共に、

胸を張ってプレゼンしてほしいということ。

 

裏を返せば、今、そのブランドに必要な「新しい〇〇」の数だけ、

いいコピーは存在する、ということなんですね。

 

新しい「買い方提案」をするコピー。

新しい「?」を投げかけるコピー。

新しい「物議」を巻き起こすコピー。

新しい「それ分かる的な共感」を呼ぶコピー。

新しい「No.1ブランド宣言」をするコピー。

 

コピーをただ何となく書くのではなく、このコピーは

そのブランドが「新しい〇〇」を世に投じるコピーなんだ

という「〇〇」を意識しながら書く、そして自ら選ぶ。

それをクリアしたコピーなら、それがたとえ空振りに終わったとしても

スジの通った立派なプレゼンテーションまでたどり着ける。

 

新しい価値を、新しい気付きを提示するという、

世にいう「いいコピーの基本」をしっかりと知っておく。

その上で、今、そのブランドに必要だと思われる「新しい〇〇」

を世に投じるためのコピーを書く

そうして日々を日々を過ごしていければ、

たとえば上司やCDにダメ出しされても、そこで議論をすることはできる。

突破することもできるかもしれない。そうやって、自らのコピーを

自ら理論武装し、自らを叩き上げゆくことが大事なんですね。

 

慣れないうちは、順番が逆でもかまいません。つまり「どんばれ」

みたいなコピーを思いついたら、

それがブランドにとって

どんな「新しい〇〇」を表現したものなのか、

後付で補強したっていいだと思う。

 

いいコピーってなんだろう その1 「そのコピー、ちゃんと働いているか?」

 

なんかいいフレーズ、うまいことを言っている言葉、

それだけでは良い広告コピーとはいえない。

商品を売るために、役立っている?

企業を好きになってもらうきっかけになっている?

ターゲット隣る人を振り向かせらている?

商品に手を伸ばしてもらうべく、背中を押している?

そういうふうに、企業に取って

「ちゃんと働いてくれるコピー」

がまずは良いコピーの条件。

 

そういうコピーは、本来は思いつきではかけません。

クライアントがどんな目的や想いでその商品を開発し、

どんな人に買ってもらいたいのか、

そのためにどんな技術を使って、どんな価値をもたせたのか、

競合商品と比べて、どんなメリットを発揮するのか、

開発の日々にはどんな苦労があって、どんな悩みがあったのか、

その商品が売れることで、世の中をどんな風にしていきたいのか、

そういう情報や想いをきちんとヒアリングしてからでないと、

その商品(企業)にとって、本当にいいコピー(=働くコピー)は、

書けないのだと思います。

 

つまり、何のために働くべきか、どう働いたら、

企業や商品がいいものに感じられるかを掴んでこそ、

はじめてそこで、ちゃんと働くコピーを書くことができるのです。

 

もし町品特有の優れた機能という情報が、たしかにある場合、

それをコピーにすればいい。

例えば、どのシャンプーより仕上がりが「するん」となるシャンプーなら、

そのまま、「するんするん、するんです」がちゃんと働くコピーかもしれない。

 

取材ができる場合は、開発秘話や作り手の言葉を元に、

コピーをかけばいい。

あの名作コピー「地図に残る仕事」も社員にインタビューする中で、

ほぼ、そのコピーの原型ができたらしいです。

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ある時は、その商品を手にした人たちに、どんな未来を生きてほしいのか、

そんな企業の思いがコピーになるときもあります。

「こどもといっしょに、どこにいこう。HONDA ステップワゴン」も

そのいい例です。

これは当時、他社が競うように「8人乗れて、走りもいい!」等と

車の機能訴求に終始しているのを横目に、「些細なスペック競争などせず、

この車を得ることで生まれる、今までと違う家族の幸せを描こう

=新しいライフスタイルの提案をしよう」という企業の確固たる意志

が実現させたもの。

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「いい空は青い。ANA」は、JALの赤に対して、ANAの企業カラー=青という

ファクトを大事に思う社員達の誇りがあるからこそ、

自らの仕事場である空の「青」と

自らめざす雲一つない清々しいまでの企業姿勢と重ねて

メッセージしてきたんだそうです。

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そんなふうにして、商品の情報やモノに込めた想いという「コピーのヒント」を

しっかりと伝えてもらいながら、「ちゃんと働くコピー」を書く。

そのことをまずは肝に命じましょう。

オリエンにでるならその席で。

もしかなわないなら、企業のホームページを調べて、WIKIを読んで、

営業を通じて質問してもらって・・・

ちゃんと働くコピーを書けるような準備をするべきです。

 

良いコピー、悪いコピー【新しい感情・気づき】編

こんばんは、犬はポメラニアンが好きな大谷です。

実家で飼ってたのですが、東京に上京してから

年に何回かしか会えてなくて寂しいです。

もう10歳くらいなので、寿命もちかい。。。

もっと犬と遊ばなくては!

 

さて、今回は新しい感情・気づき編です。

どんどん行っちゃましょう。

 

まず【新しい感情編】です。

「私だけきれいだったらいいのに」

すみません、これなんのコピーだったか調べてもでてこなかったので、

先生から聞いたものをそのまま載せちゃいます。

このコピーのすごいところは、言われてみると

心の中に何割かあるちょっと黒い感情を女性だったら誰もが

持っているということに気づかせてくれるところです。

僕は男性なのでわからないのですが、

似たような感情でいうと、

イケメン全員死なないかなあってよく思ってます。

そうすれば相対的にイケメンになれる気がして・・・笑

 

続いて【新しい気づき】編です。

「イルミネーションって、ふたりで見ないと、ただの小さい電球説。」

こちらは、婚活会社パートナーエージェントさんのコピーです。

初めてこの広告を見た時、フフってなってしまいました。

確かにイルミネーションって言われてみるとただの電球だなあって

新しい気づきを与えてくれるコピーでした。

僕は一人でUSJプロジェクションマッピングを見に行きましたが、

周りがカップル過ぎて心が死にました。

 

 

以上で、良いコピーとはなんぞやという答えになっております。

題名には悪いコピーって書いてありますが、

具体的に書いてなかったですね。

とりあえず、何が良いコピーなのかが分かるようになれるよう

たくさんのコピーを見て勉強して、選球眼を身に着けていければと思います。

 

それでは、また。

大谷ライオンでした。

良いコピー、悪いコピー【新しい知識】編

こんばんは、好きなお酒はカシスオレンジの大谷ライオンです。

初めての会社の飲み会で注文してしまい、

先輩からめちゃめちゃ怒られました。

それ以来、僕はビールとレモンサワーを飲み続けております。

グレープフルーツサワーはギリギリなラインなので、

無難なレモンサワーでやり過ごすことを学びました。

ビール好きな人羨ましい。。。

 

さて、本題。

良いコピーの定義として

「新しい価値観を届けること」

がありましたが、

その中でも今回は

【新しい知識】編です。

人は知らなかったことがあると、

心が揺れ動くようです。

前に「トリビアの泉」という人気番組がありましたよね。

知らなくても全く困らないムダ知識をただただ披露する番組ですが、

へ~って言いながら毎回見てました。

面白いですよね!?

 

それでは、コピーの具体例をあげますね。

「うまいことは、わかっていた。」

キリン一番搾りのコピーで、ソフトバンクのお父さんのCMを作った巨匠

佐々木宏さんが書いたコピーだそうです。

そもそもビールって麦芽を2回絞って、1回目と2回めの麦汁を混ぜ合わすのが、

通常の製法らしいのですが、

キリンが1回目の麦汁のみで作り出す

1番絞り製法を編み出して作ったビールだそうです。

醸造家は、1番絞りだけで作った方が美味しいというのを知っていたようで、

制作コストなどの兼ね合いからずっとできなかったのですが、

そこを踏み切って作り出したのです。

つまり醸造家の言葉をコピーにして、

どういうことか上記の内容の説明として

ボディーコピーが記載されているポスターになっていたようです。

これはキャッチコピーではなくて、ボディコピーに新しい知識が

書き込まれているパターンですね。

 

「長野に20世紀最後の冬が来た…!!」

長野オリンピックのCMでのセリフだそうです。

これはわかりやすいですね。

長野オリンピックは1998年開催されたので、

次の冬季オリンピックが2002年なので、

20世紀最後のオリンピックですからね。

言われてみると確かにって感じですよね。

 

「100人乗ってもだいじょーぶ!」

稲葉製作所 イナバ物置の有名なコピーですね。

そもそも物置に乗らないのでどうでもいいことかもしれませんが、

「この物置頑丈です。」っていうよりも

「100人乗っても壊れないんです。」って具体的なことが書かれていると

興味も持つし信頼もできますし、すごいコピーですよね。

 

新しい知識編は以上です。

 

次回もまだまだ続きます。

また、見てください。

 

大谷ライオンでした。

良いコピー、悪いコピー【新しい暮らし方】編

こんばんは、社会人になってから、

1度も平日に体調を崩したことがない大谷ライオンです。

大体、金曜日の夜から具合が悪くなり、

日曜の夜くらいで体調が回復します。

気が張ってるんですかね。立派な社畜

 

それでは、本題。

良いコピーとはなんぞやいうことで、1つ定義すると

そのコピーが、

新しい価値観を届けているか?

どうかということです。

 

わかりづらいと思うので、詳しく説明していきます。

良いコピーで一番多いのが、

【新しい暮らし方】

を提案するコピーです。

 

たとえば、

1976年以降、年末年始に流された買い置き訴求の

「おせちもいいけどカレーもね!」

というハウス食品さんのククレカレーのコピー。

僕が生まれる前のことなので、知らなかったのですが、

当時はお正月は正月料理を食べるのが当たり前で、

それ以外の料理を食べるなんてもってのほかと言うような時代だったようです。

そんな時代に新しい提案をしたのがが、このコピー。

正月料理もいいけど、カレーもいいよということで、

正月はのんびりしたいお母さん達にかなり共感されたんではないでしょうか。

レトルトカレーなので温めるだけですしね。

 

他には、

「Buy Now, Pay Later=先買い、後払い」

というクレジットカードのコピーで、

今まで、Buy Now,Pay Nowだった買い方を根本的に変えて提案してます。

これは、コピーというよりクレジットカードというシステムを

考えた人がすごいですよね。

 

「Think small.」

これはフォルクスワーゲンの1960年に制作されたビートルのコピーで、

当時アメリカの「Think big.(ものごとは大きく考えよう

=ちまちました考えは捨てよう)」をもじった表現です。

日本語に翻訳すると、「小さいことの価値を考えてみよう」、

さらには「堅実な考え方をしよう」といった意味にもなります。

当時、大きい車に乗ることががアメリカ人にとってのステータスだったようで、

そんなガソリンを使いまくる大型車は無駄が多いんじゃない?

ビートルは環境のことだって、あなたの生活のことだって、

もっと小さいことも気を使ってるんだぜ

大きければいいってもんじゃないんだよ

って提案するようなコピーです。

素晴らしいコピーですね。

 

 

以上が「新しい暮らし方」を提案するコピーでした。

 

他にもまだまだありますが、

それはまた次回。

 

大谷ライオンでした。

新人コピーライターが最初にできなくてはいけないこと

それでは、さっそく今週学んだことをまとめていきたいと思います。

コピーライターのコの字もわからない僕が、

最初に教えてもらったコピーライターとしてのスキルは

良いコピー、悪いコピーを見分けられる

ことができないといけないということです。

 

コピーを書いていて、自分のコピーが良いのか悪いのかを

判断できなければ、そもそも提案なんてできないし、

ましてや作ることだってできないからです。

 

つまり、

書く力 < 見分ける力

なんだそうです。たしかに・・・

 

これがコピーライターへの第一歩。

じゃあ、何が良いコピーなんだと思った方は、

次の記事にまとめますね。

 

それでは、また。

 

大谷ライオンでした。