新人コピーライター物語

新人コピーライターが徒然なるままに、コピーのことや気になったことを書き残していくブログです。

いいコピーってなんだろう その1 「そのコピー、ちゃんと働いているか?」

 

なんかいいフレーズ、うまいことを言っている言葉、

それだけでは良い広告コピーとはいえない。

商品を売るために、役立っている?

企業を好きになってもらうきっかけになっている?

ターゲット隣る人を振り向かせらている?

商品に手を伸ばしてもらうべく、背中を押している?

そういうふうに、企業に取って

「ちゃんと働いてくれるコピー」

がまずは良いコピーの条件。

 

そういうコピーは、本来は思いつきではかけません。

クライアントがどんな目的や想いでその商品を開発し、

どんな人に買ってもらいたいのか、

そのためにどんな技術を使って、どんな価値をもたせたのか、

競合商品と比べて、どんなメリットを発揮するのか、

開発の日々にはどんな苦労があって、どんな悩みがあったのか、

その商品が売れることで、世の中をどんな風にしていきたいのか、

そういう情報や想いをきちんとヒアリングしてからでないと、

その商品(企業)にとって、本当にいいコピー(=働くコピー)は、

書けないのだと思います。

 

つまり、何のために働くべきか、どう働いたら、

企業や商品がいいものに感じられるかを掴んでこそ、

はじめてそこで、ちゃんと働くコピーを書くことができるのです。

 

もし町品特有の優れた機能という情報が、たしかにある場合、

それをコピーにすればいい。

例えば、どのシャンプーより仕上がりが「するん」となるシャンプーなら、

そのまま、「するんするん、するんです」がちゃんと働くコピーかもしれない。

 

取材ができる場合は、開発秘話や作り手の言葉を元に、

コピーをかけばいい。

あの名作コピー「地図に残る仕事」も社員にインタビューする中で、

ほぼ、そのコピーの原型ができたらしいです。

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ある時は、その商品を手にした人たちに、どんな未来を生きてほしいのか、

そんな企業の思いがコピーになるときもあります。

「こどもといっしょに、どこにいこう。HONDA ステップワゴン」も

そのいい例です。

これは当時、他社が競うように「8人乗れて、走りもいい!」等と

車の機能訴求に終始しているのを横目に、「些細なスペック競争などせず、

この車を得ることで生まれる、今までと違う家族の幸せを描こう

=新しいライフスタイルの提案をしよう」という企業の確固たる意志

が実現させたもの。

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「いい空は青い。ANA」は、JALの赤に対して、ANAの企業カラー=青という

ファクトを大事に思う社員達の誇りがあるからこそ、

自らの仕事場である空の「青」と

自らめざす雲一つない清々しいまでの企業姿勢と重ねて

メッセージしてきたんだそうです。

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そんなふうにして、商品の情報やモノに込めた想いという「コピーのヒント」を

しっかりと伝えてもらいながら、「ちゃんと働くコピー」を書く。

そのことをまずは肝に命じましょう。

オリエンにでるならその席で。

もしかなわないなら、企業のホームページを調べて、WIKIを読んで、

営業を通じて質問してもらって・・・

ちゃんと働くコピーを書けるような準備をするべきです。