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新人コピーライター物語

新人コピーライターが徒然なるままに、コピーのことや気になったことを書き残していくブログです。

いいコピーってなんだろう その2 いいコピーの良い基準は一つじゃない

 

いいコピーとは・・・

新しい「価値」を示してくれるコピー。
新しい「気づき」を与えてくれるコピー。

などと教わった経験があると思いますが。もちろん、それは正しい。

いいコピーとされるコピーの多くは、そのいずれかにあてはまっているでしょう。

岩崎俊一さんの「やがて、いのちにかわるもの」や

「英語を話せると、10億人と話せる」などが、

その代表例ですね。考えてみたら、企業の想いを込めた

大事な商品やサービスをメッセージにするコピーが、

どこかで聞いたことのあるような価値しか提示できていなかったら。

その商品をなぞるだけの説明的なことしか伝えていなかったら。

やっぱりダメです。なので、

上記2つの基準は「いいコピーのスタンダード」

として覚えておきたいところです。

けど、そこに縛られなくてもいい。

ある商品やサービスのオリエンを受け、そのコピーを担当するのは、

あなたが生み出すコピー。それが、新しい価値や新しい気付きを

示していれば、それは一つの正解。ほぼ間違いいない。

でもそうじゃなく、今回は

こうこう、こういう理由で、このコピーがいいコピー、ベストワークなんです

と言い切るロジックを自らの自信をもって打ち出せるのなら、

それも、やはり正解だと思う

 

例えばで話しますと「日清どん兵衛」はどうだろう。

「どんばれ」というコピー、いいコピーだと思いませんか?

でもこれを、上記2つの定義にあてはめてみると

新しい価値も新しい気付きももたらしているようには見えません。

このコピーが生まれた背景には、長い歴史と多くのファンをもつ

ブランドのリニューアルを機に、10〜20代の若い人たちに向けてエールを送る

という基本方針があったといいます。

このブランドに今こそ必要なのは「今を生きる、

未来のどん兵衛ファン達に送る新しい応援メッセージ」なんだ、

と、心を決めてプレゼンテーションした光景が目に浮かびます。

 

「どんばれ」=「がんばれ」よりもゆるい(=若者を意識した)、

        肩に力の入っていない「どん兵衛」流のエール。

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そこには「新しい味方」「新しい絆づくり」みたいな

大事な目的がある。そここそが、肝心

その「新しいロジック」を携えた瞬間、「どんばれ」は、単なる言葉遊びや、

なんとなく語呂のいい思いつきの域を超えて、

そのブランドにとって、今、無くてはならないコピーになる。

みなさんに勇気をもてとりくんでもらいたいことは、

まさにそこなんですね。

このコピーは「新しい〇〇」をもたらす

コピーなんです!だから、今、このブランドには、

このコピーが必要なんです。

と自らコピーを信じ、そこに込めたロジックと共に、

胸を張ってプレゼンしてほしいということ。

 

裏を返せば、今、そのブランドに必要な「新しい〇〇」の数だけ、

いいコピーは存在する、ということなんですね。

 

新しい「買い方提案」をするコピー。

新しい「?」を投げかけるコピー。

新しい「物議」を巻き起こすコピー。

新しい「それ分かる的な共感」を呼ぶコピー。

新しい「No.1ブランド宣言」をするコピー。

 

コピーをただ何となく書くのではなく、このコピーは

そのブランドが「新しい〇〇」を世に投じるコピーなんだ

という「〇〇」を意識しながら書く、そして自ら選ぶ。

それをクリアしたコピーなら、それがたとえ空振りに終わったとしても

スジの通った立派なプレゼンテーションまでたどり着ける。

 

新しい価値を、新しい気付きを提示するという、

世にいう「いいコピーの基本」をしっかりと知っておく。

その上で、今、そのブランドに必要だと思われる「新しい〇〇」

を世に投じるためのコピーを書く

そうして日々を日々を過ごしていければ、

たとえば上司やCDにダメ出しされても、そこで議論をすることはできる。

突破することもできるかもしれない。そうやって、自らのコピーを

自ら理論武装し、自らを叩き上げゆくことが大事なんですね。

 

慣れないうちは、順番が逆でもかまいません。つまり「どんばれ」

みたいなコピーを思いついたら、

それがブランドにとって

どんな「新しい〇〇」を表現したものなのか、

後付で補強したっていいだと思う。